
対バンはフェギドン・タンピョンソン。熱のこもった演奏が場を盛り上げます。ちなみに彼も以前からスターリンの音楽を聴いたそうで、ライブ後、レコードにサインしてもらっていました。

ミチロウさんの生命力あふれるパフォーマンスを前に、観客たちも真剣な眼差しで耳を傾けていました。
韓国でもスターリンの知名度は高いようで、サインをもらおうとレコードを持ってやってきた音楽ファンや、現役のパンクミュージシャンたちが当店に終結。中には、昨年の堤川国際音楽映画祭で上映された『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』を観て、ファンになったという方もいらっしゃいました。
ミチロウさんはギター1本で、1時間を越える演奏を披露。闘病中で杖をついていらっしゃるとは全く思えないパワフルなパフォーマンスで、1曲ごとに送られる観客たちの拍手がとても熱かったのが印象的でした。
さらに自曲の『カノン』を、韓国語で歌う場面も。佐藤行衛さんが事前に翻訳歌詞を準備し、その動画を見ながら練習されたそうです。アンコールでは韓国の方のリクエストで、スターリンの『ロマンチスト』を熱唱! 最高潮での幕引きとなったのはもちろん、個人的にもとてつもないものを目の当たりにした気分になりました。
彼のことを語る時に、ついつい「伝説のパンクバンドを率いた~」と言ってしまいますが、今が最も熱い、現在進行形のアーティストだということを実感する、圧巻のライブでした。いま思い出しても、しゃんとせねばと背筋が伸びる気になります。
そしてミチロウさんは翌日からの堤川映画際への遠征を無事終え(事前通知なく、いきなりレッドカーペットを歩くことになったとおっしゃっていました……韓国ではありがちなことです)、また韓国でライブしたいとおっしゃってくれています。
再び韓国の方の胸に何かを残してくれるであろうその日を、今から心待ちにしたいと思います。