在韓日本人けいこさん
「ソウルには日本人コミュニティってあるんですか?」という質問をよく受けます。あるはずですが、どこにあるのかわからないというのが本音です。私の周囲の在韓日本人たちは、それぞれ個別にシュクシュクと活動している印象を受けます。
在韓日本人のお友達のひとりに、けいこさんという方がいます。写真作家として作品も残している方で、それこそ10年ほど前からお世話になっているのですが、彼女は最近、韓国発日本向けの子供服・ママ服ネットショップを運営しているとのこと。日常のブログも、やはり写真が素敵ですのでぜひご覧ください。
www.sururu.shopwww.instagram.com/sururu0605皆さんそれぞれのやり方で、韓国にいることのメリットを活かして活躍しているようで、とても刺激を受けます。
韓国版『ビッグイシュー』にて連載が始まりました

あまり店とは関係ない情報で恐縮ですが、韓国版『ビッグイシュー』164号(左)から、私の韓国タワー連載(韓国語)が始まりました。雑誌は月2回刊で、私の原稿は隔号掲載になりますが、お盆の調整で最新号165号(右)にも載っています(次は11月15日発行167号)。ソウルからは近くて遠い町、京畿道にある烏山(オサン)市を歩き、廃工場にときめいたり知らない人にビールをおごってもらったりしながら、ハリボテみたいなタワーを訪れた話を2話に分けて書きました。
韓国のビッグイシューはデザインもおしゃれで、内容は日本版とは異なり、若者向けのカルチャーマガジンという雰囲気です。弘大入口駅3番・9番出口、同大学正門前で販売していますので、お土産にビッグイシューいかがでしょうか~。
小豆島
働いているようには見えない、フェリーのゆるーい乗務員9月の帰省にあわせて、小豆島を旅行してきました。10年以上前に中国の田舎町でお会いして以来お付き合いがある、辰巳さんというお友達夫婦がいるのですが、彼らは何年も前に小豆島に移住、古民家を借りて定着しており、いつか会いに行きたいと思っていました。
小豆島は関西と四国の間にある、比較的大きな島。立地的にもそこまで「のんびり田舎暮らし」という感じでもないだろうと、勝手に思い描いていました。ところがいざ行ってみると、アクセスは姫路の果てからフェリーに乗って1時間40分(橋は無し)。結構な島っぽさです。
地元の方の対応も、かなりの島っぽさ。予約したゲストハウスは「夜10時まで誰もいないけど、鍵開けとくから勝手に入っといて~」とおっしゃるし、レンタカー会社は返却方法について「車を港に止めたら、鍵はかけずダッシュボードにいれといて~」とおっしゃるし、しかも翌朝港を見たら車そのままだったし、驚くほどのんびりした雰囲気でした。
そんなゆったりとした時間の流れ、そして騒音のない澄みわたる空気に、予想以上に癒されている私がいました。がっちり閉まった頭のボルトを、少しゆるめてもらったような感じ。パッリパッリ(早く早く)と毎秒決断を強いられるソウルから来ると、その思いはひとしおです(まあ韓国は、別の角度ではゆるいんですけどね)。
小豆島の海は、波がほとんど立たない久しぶりにお会いした辰巳さんご夫婦は、不自由がないどころか、自然や家族や島の人に囲まれ、豊かに暮らしていることがひしひしと伝わってきました。庭の畑で育てたというお米はとても美味しく、家の中を自由に走り回る子供たちはとても眩しく。赤ちゃんを保育所に預けるのも、実に簡単だそう。
そして地域に見事に溶けこんでいる彼らの様子に、思わず感心してしまいました。辰巳さんはデザイナーです。メディアの仕事といえば都会が有利なように思ってしまいますが、島の人たちと関係を築き、お店のパンフやホームページ、イベントのフライヤーなど島ならではの仕事を開拓している姿に、こういうやり方もある、いやむしろこちらが本来の形なのかなあと思ってしまったり。
デザインだけにとどまらない地元密着型の彼らの活動は、
サイトや
フェイスブック、そして
日々のブログを覗いてみてもらえればと思います。
また遠くない日に、「何もしない」をしに小豆島を訪れたいです。
おまけ、個人的に気になる小豆島情報
『
世界屠畜紀行』の内澤旬子さんが小豆島に移住し、獣肉加工施設を準備しているそう/音楽フェスはいくつかあるが、10月にある「
風が吹いてきたよ」が地域密着で面白そう/小豆島発のウェブマガジン『
その船にのって』に、
何かとお世話になっているOFFSHORE山本さんが寄稿されているそう
『中くらいの友だち vol.2』販売中です

韓国と関係の深い著者によるエッセイや翻訳を集めた日本語雑誌『中くらいの友だち』の2号が、当店にて発売中です(1号は完売)。著名な文化評論家の四方田犬彦さんや、当店とも関係の深い佐藤行衛さんのエッセイを始め、私たちも原稿執筆と扉文字で参加しております。
インターネットでは出会えない、ここだけの韓国情報が満載です。韓国旅行の復習に読まれるのをお勧めします。もちろん日本国内でも購入可能。好評につき創刊号は在庫がないようですので、お見逃しなく(前号から読まなくても問題なく楽しめますよ!)
書店情報
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雨乃日コンサート#46を終えて

3度目のご来店となる康勝栄さんを迎え、ノイズ中心のライブとなった「雨乃日コンサート#46」が、無事終了しました。パク・ダハム君の企画によって進められた今公演、秋夕(旧盆)前々日の連休中にも関わらず、多くの実験音楽ファンが訪れてくれました。ノイズに詳しくない私も、各種各様の演奏に思わず没頭し、たっぷり刺激を受けました。

トップバッターは、ロックバンド「有機農ビール」のゴウさん。やはりというか爆音の、迫力あるノイズに、壁を挟んだ隣のカレー屋が夜の営業を再開し、さらに上の階が突然ゲストハウスになった珈琲店の店主としては緊張する心情もあったのですが、聴いているうちに「ままよどうにでもなれ」という晴れやかな気分に。ロックなエナジーをたくさん受け取りました。

2番手は、前回「THSS」のひとりとして出演してくれた、アンビエント奏者のミン・ソンシクさん。いわゆる拍のない音楽ですが、緩やかな音の流れに隠れたビートを掘り起こしたい気分に。ふと観客を見ると、自分自身のビートを刻んでいる人もいれば、微動だにせず聴きこんでいる人もいて、人それぞれの解釈(時間の流れ)の違いに思いを馳せることができました。

最後は康勝栄さん。何か得体の知れないものが始まる感じが凄い! 静寂の中に狂気が潜む、圧倒的なオーラを放つパフォーマンスでした。個人的には、電流からランダムに生まれるボソッ、ボソッ、というノイズが脳に直接刺さるようで気持ちよく。これは聴くドラッグです。
私はノイズ初心者ですが、詳しくないなりにも受け取るものの多いライブでした。皆さんもぜひ彼らの演奏を体験してほしいと思います。
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