ひとりでも食べられるチキンの名店
お世辞抜きで韓国いち美味しいチキンの店を紹介します。その名も「チキンヘッド」。美味しいだけでなく当店から徒歩2分、12時過ぎまで営業しており、さらにチキン以外のメニューもイケることから、多い時は週一で利用している奇跡のようなお店です。
当店向かいの橋の下の道(not 公園)をくぐり駅方向に向かい、セブンイレブンのある角で右折。最初の角(フラワーカフェなる店があり、フラワーをかぶり自撮りしている人多数)で左折しすぐのお店です。弘大入口駅6番出口からも近し。

個人店ならではの親近感ある外観が特徴です。正直、初めてこのお店を見かけた時は、ここまでブッチギリな店だとは予想もしていませんでした。

店長の弟さんが描いた、こだわりを伝えるかわいらしいイラストでいっぱいです。席数は20席ほどと小さめ。

チキンの味付けは数種類ありますが、おすすめは新鮮な油と肉質の良さが際立つ、シンプルな「フライドチキン」。カリッもフワッも兼備する揚げたての衣をひとくちかじれば、プリッと柔らかなお肉からズキュンとお汁がほとばしります! わたくしガイドブック取材の仕事も行っており、有名なチキンの店にも行きましたが、ここまで美味しい店に出会ったことはありません。付け合わせのピクルスもキムチも本当に美味しく、聞いてみたら実家で育てている野菜をもとに手作りしているのだとか。そりゃウマいに決まっている。
さらにすごいのは、チキン半分という注文も可能であり(半額の9000ウォン)、ひとりチキンも可能ということ。実際、ひとりでチメク(チキンとビール)をキメる、仕事帰りのお客さんも時々見かけます。そんな店、韓国にはなかなかありません。店長のジェチョルは気さくなお兄さんなので、韓国語をちょっと勉強している方なら話しかけてみるのもいいでしょう。

チキンの付け合わせといえばポテトですが、冷凍は使わず生のジャガイモの皮を剥くところから始まります。もちろん揚げたてホクホクで最高。

チキン以外のメニューもやばいです。タッコムタン(鶏肉のスープ)、キムチチゲもお勧めですが、予想外にうまいのが3000ウォンの野菜たっぷりラーメン。これだけ注文してもいいそうです。ちなみに昼から営業しています。
この素晴らしいお店を知った当時は、大きな声で人には教えたくないなあと思っていたんですよね。席数も少ないし、バイトもいないから料理が出るのも時間がかかるし、お客さんが増えたら我々が食べられなくなるのではと。
ところがオープンから4~5年ほど経ち、ちょっと店のツイッターで紹介してみたこともあるのですが、意外とお客さんは多くならない。もちろんコアな常連客は着々と増えていますが、はじめてのお客さんが続々と訪れ列をなす様子ではありません。何時間待ちでも食べる価値があるのに、今なら並ばず食べられるのに、大丈夫か韓国の皆さん……。
韓国ではインスタグラムが大はやり。流行のインテリアや奇抜なビジュアルのメニューがインスタ上で話題となり、オープン1ヵ月で人気となり取材も殺到する“インスタうけの店”が続々出現する中で、チキンヘッドのような“ただ単に、めちゃくちゃ美味しい良心的な店”は、皆さんお好きじゃないのかなあと寂しい気持ちになるのですが、かと言って行列ができるようになったら私的にちょっと困るので、控えめに訪問よろしくお願いします。
長谷川陽平さんのミックステープ販売

ロックバンド「チャン・ギハと顔たち」のギタリスト、そしてDJとしても活躍する在韓日本人・長谷川陽平さんによるミックステープ『Groovy Flowers Of Asia ~ Twist & A Go Go from Taiwan, Malaysia, Singapore & Hong Kong』(
Helicopter Records)が、当店でも販売を開始しました。今聴いても新鮮な、アジアの歌謡曲が詰まった60分。ソウルでは在庫がなくなるほどの人気だそうで、気になる方はお見逃しなく。
ちなみに現在、長谷川さんと同時期から韓国で活動するミュージシャン・佐藤行衛さんのバンド「
コプチャンチョンゴル」の新作『Go! Go! Psychedelic』、カルメン・マキ&OZのギタリストで韓国での活動も長いハチさんの最新ソロアルバム『
hachi uku songs』も発売中です。在韓日本人ミュージシャン御三家の最新作そろい踏みとなっております。
イランの日用品や古い物を販売中です

当店にて、イランで仕入れた日用品や古い物を販売しております。
インスタにあげるなり、すぐ買いに来てくれたお客様もいらっしゃるなど好評です。
という理由で先の5月、夫婦でイランに行ってきました。私にとってイランは、10年前のアジア陸路旅行の際にパキスタンで引き返して以来、いつか行きたい国のひとつでした。マクドナルドやスタバなどのアメリカ文化が入っていない大国を見たいというのも理由のひとつですが、昨年の経済制裁解除により街が大きく変わるのは間違いなく(もはや物価も急上昇しているよう)、早めに行かねばと考えていました。
イスラム教の戒律とやらがものすごく厳しいのではと漠然とイメージしていたのですが、行ってみたら意外とゆるゆるで最高に面白かったです。女子たちが髪を隠すヒジャブは、髪にちょっとかかっていればいいというレベル。セルカを撮るために一瞬ヒジャブを外したイスラム女子(確認したわけではないですが、着こなしがイスラムの方ぽい)の姿を私は目撃しました。
ちなみに男とはいえ、私の長髪はアウトなんじゃないかとびくびくしていたのですが、拍子抜けするほど何事もなく。テヘランでは長髪のおしゃれイラン男子も見かけました。
あと、酒。イスラム教では飲酒が禁止されているはずなのですが、スーパーにはなぜかノンアルコールビールが販売されています。ビールという名の甘い炭酸飲料もありますが、ロシア産のものはまさにビールの味で、ということはつまりビールの味を知っているわけだよね?とツッコミを入れざるを得ません。
またこれは帰る時ですが、飛行機がイランを出国したとたん、あちこちからビールの缶を開ける「プシュー」という音が。アラーの神が見ていない国外では、わりと大丈夫なようです。


※高野さんによれば国内でも飲むそう
宗教的な部分のみならず、イランはゆるゆるだなあと思わせる場面にたびたび出会いました。
まずは入国する際、空港でアライバルビザを取る必要があるのですが、たったひとりの係員が、国籍によって違うビザ代の案内・入金証明書を受けて書類配布・記入した書類の受付・ビザが貼られたパスポートの返却までをなし崩し的に行うため、その係員の前は芋を洗うようにごった返しています。我々も1時間以上待たされたのですが、しかし係員の後ろには、パスポートにビザのシールを貼るだけの暇そうな係員が3人も待機しています。君たちがカウンターに積まれたままのパスポートをちょっと配ってくれるだけで、我々は30分早くここを出られるのですが……。
そしてやっと入国ゲートを出たと思ったら、ホテルに頼んでおいたお迎えの車が来ていませんでした。忘れていたらしい。
またイランは中国同様にネットの規制があり、フェイスブック、ツイッター、そしてFC2ブログ(このページです)などを開くことができません。ところが、とあるカーペット屋の親父からもらった名刺には、何とフェイスブックの住所が書いてありました。「VPN(通信データを暗号化するトンネル)を通せば大丈夫!」と笑っていたのですが、それ不法ですよね? 名刺に書いていいんでしょうか?
そんなゆるーい風土だからこそでしょうか、イランの人々はとてもしなやかで優しく、町を歩けば「Where are you from?」と挨拶のように声をかけられ(ジャポンと言えば「Good!」と返される)、ちょっと話せば一緒にお茶を飲もうと言われ、道を聞けば一緒に探してくれ、タクシーを捕まえれば英語の分かる人がさっと出てきて通訳してくれ、カメラを持っていたら「俺たちの写真を撮ってくれ」と言われ、常に歓迎されているのをひしひしと感じました。そんな状態なので、道を歩いていて怖いと思った瞬間は一度もありません。
ただし、お金の単位が何百万リアルとかで(英語で何て言えばいいのか)、しかも現地の人は、その数字をわざわざ10分の1にしたトマンという単位を使うことが多く、まったく意味が分かりませんでした。数字はペルシア文字だから読めないし……。物の価格は交渉制であり、苦労したのはその点ぐらいでしょうか。
イランに一度でも行ったことがある人はアメリカのビザ取得が面倒になるなど、アメリカ中心の世界ではイランに対しネガティブな印象がつきものですが、実際はなんと適当でナイスなところなんだろうと思わされた旅でした。ほんと、行ってみないとわからないことだらけです。

テヘランのバーザール

大統領選挙前でした

いえーい

カニウェスト

テヘラン駅

タイプライターの紙のようにぞんざいに扱われがちのナン

タブリーズの夜

いえーい

Pって

エスファハーン

再びテヘランにて高さ世界7位のミラードタワー

街角
6月19日臨時休業です
お世話になっております。
公式ホームページのほうでもお知らせしておりますが、
6月18日(日)午後5時半までの営業
6月19日(月)臨時休業
となっております。続く20日(火)、21日(水)は定休日ですので、22日(木)以降の再開となります。何卒よろしくお願いします。
写真は弘大の街角で見かけたピカチュウぐるまです。
『本の未来を探す旅 ソウル』


内沼晋太郎さん・綾女欣伸さん編著『本の未来を探す旅 ソウル』にて、光栄なことに私(清水)が、「韓国語で本も書く日本人がコーヒーも入れる文化の匂いたつ喫茶店」というタイトルでインタビューを受けました。文化にまつわる最新のムーブメントを、読み応えも熱量もたっぷりに紹介しており、旅情報としても最適ですのでぜひチェックしてみてください。
参考までに「
はじめに」と「
おわりに」が、DOT Placeで読めます。内沼さんの文章にもありますが、ほんと行ってみて、やってみないとわからないことだらけです。この本には彼らが出会った、ネットにはあまりない話もたくさん紹介されており、ここから刺激を受けて韓国に(ついでに当店にも)どんどん訪れてほしいと思うとともに、著者のおふたりが韓国に注目してくださったことに感謝したい気持ちです。
それからちょっと面白いことが。この本に関して、日本の書店さんが、こんなツイートを書いてくれました。

偶然私を知っている人がその場にいたとはすごい確率だなあと思う一方で、「友達というより、単にお店に来たことがあるぐらいの人なんじゃないか、さすがに」と内心思っていました。
ところがその後、数少ない東京在住の韓国人のお友達(最近も一緒に食事をした)から連絡があり、まさにその人だったということが判明。どれだけ狭いんだ世界、という話です。
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