トラブル
先週は謎のトラブル続きでなんでやねんという感じでした。
水曜、電球をつるす天井のレールから火花が飛び、不安なので臨時休業。いろいろあって大家紹介の電気屋を呼ぶことになりましたが、このひと前回来てもらった時に、何が不満だったのか「もう来ないぞ!」と言って去っていったので、再会するとなると気が重くてなりません。その時の修理費は5万ウォン(5000円)で、腹立ちまぎれっぽいざっくりした価格設定にももやもやしたものです。
木曜、やってきた電気屋さんは意外と機嫌がよく、工事も瞬間で終わりました。配線の接触不良ということでしたが、そんなの簡単に起こることなんでしょうか? 今回も修理費は5万ウォンで(数百円の部品をつけかえただけ)、またももやもやしました。
金曜、気づいたら冷蔵庫が止まっていました。メーカーに電話すると、幸いその日のうちに業者がやってきて(一週間以上直しに来ないメーカーもあるのに、ありがたいことです!)すぐ直してくれました。それにしても、7年近い営業で当店の電気製品は、だいたい一度は故障しています。そんなものなんでしょうか?
と思いきや、今度はオーブンのスイッチが入らない懸案が発生。なぜかブレーカーが、容量オーバーでもないのに落ちてしまいます。他のブレーカー経由で接続すると普通に使えるので、ブレーカーの故障と思われるのですが、そんなの簡単に壊れるのでしょうか? とりあえず今度は別の電気屋呼びたい……。
土曜、店の前で見知らぬおじさんが、2階を工事している業者を相手に怒鳴り散らかしています。おじさんは「未払いの賃金を払え!」と言いますが、2階の業者は全く無関係のよう(なんでやねん)。警察がやってきて、おじさんは一度は引き返したのですが、またやってきて、今度は当店隣のカレー屋の奥さん(無関係)に怒鳴ります。おじさん、やがてヒートアップしてきて、木材を持ち出し脅そうとするものですから、また警察が飛んできて連行されました。
ほっとしたのもつかのま、おじさんがまたやってきてカレー屋さんを相手に「大家に今すぐ会わせろ!」と言います(大家も無関係)。間に入った私が「じゃあ月曜に来てください」と言うものの、「こっちはさっき罰金も払ったんだよ!」とらちがあかない(「そうでしょうねえ」と私)。よくわからない無駄な時間が流れたのち、おじさんはフェイドアウトするようにどこかに消え一件落着。そしておじさんは、以降このビルを訪れることはありませんでした。何だったんだ……。
店を営業している立場からすれば、店の前に居座り騒ぎ立てられのは本当に迷惑きわまりないのですが、それでも当店のお客さんたちは、その横を普通にすりぬけ、何事もないように店内で普通にお茶をしていたのが印象的でした。よくあることなんでしょうか。
北朝鮮問題? こちらは全く平常通りです。
京義線チェッコリ
トゥリバン跡地はホテルになる模様既にご存知の方も多いかと思いますが、当店前の陸橋の下にあった空き地が整備され、昨年10月末から「京義線チェッコリ(=ブックストリート)」という名前で運営されています。
本をテーマにした公園ということで、本に関わる謎のオブジェや、誰も利用してなさそうな本の販売ブースが何の脈絡もなく設置され、行政のやることはセンスないなあと思う毎日です(できたと思ったら半年も経たずに土掘り返す大工事してるし)。
そしてこれまでなかった桜の木がいきなり満開になった時は唖然としました。韓国、安易に桜植えすぎです。
これに伴い、公園周辺の物件に動きが見られます。
まず、独立系書店のさきがけであるユアマインドが、2月末に移転してしまいました。建物がまるごと別の家主に高価で売却されたのが理由だそうですが、ブックストリートが原因で重要な書店がなくなったのだから本末転倒です。
ちなみにユアマインドは延喜洞(当店から徒歩20分くらい)に新店舗を準備中で、4月に再オープン予定とのこと。何はともあれ、新たな出発に期待しています。
3月には当店2階にあった美術学校がある日突然いなくなり、当店向かいのコンビニの地下にあった、グラフィティアーティストのアトリエがなくなってしまいました。壁に「リョニ」と日本語で書かれていたので、リョニさんだと思われます。
彼とは面識がなかったものの、毎日遅い時間まで制作をしていたようで、頭が下がる思いでした。
周辺から文化的な空間が消えていく……と残念に思っていたところ、思わぬ朗報が。リョニさんのアトリエに入ってきた人は、何と10年前から知り合いのミュージシャン、チョンさん! ここをスタジオとして利用するそうで、さっそくお店にコーヒーを飲みに来てくれました。
別れも出会いも何の予兆もなく突然やって来る、あわただしい毎日を送っています。
当店のすぐ下、公園の前にできたばかりの居酒屋。アピールポイントはsince 2017
続・贈り物の話
これまで一番インパクトのあった贈り物といえば「花束」です。
ちょっと着飾った女子ふたり、男子ひとりのお客様が花束を持ってご来店しました。私は最初、パーティの帰りなのかなと思いました。彼女たちは花束を手に、楽しそうにセルカを撮影しています(ちなみに当店に来るお客様の過半数以上がセルカを撮られるので、ごく日常的な景色です)。
しばらくゆっくりされた後、お会計をされる時のことです。女性のひとりが突然、「これプレゼントです」と私に花束を差し出し、颯爽と去っていきました。
その時の私のもやもやっぷりと言ったら……。これって誰かからもらった花束を処理しただけでは?なんて思ってしまうのは私だけではないですよね?
幸い、その方から後でメールをいただき(「いつも美味しいコーヒーをいれてくれるのが嬉しく、前から花を渡したかったんです」といった内容でした)もやもやは薄れたのですが、それにしても自然に贈りものができる国民性なのだなとよく感じます。
あとやはり、誰かに花束を渡す時は、会ってすぐに渡すのが誤解が少ないのだなあと学習しました。日々勉強です。
思いもよらぬ贈り物
日曜日、お店を訪れてくれた二人の見知らぬお客様から、想定外の贈り物をいただきました。
最初はひとりで来店された女性の方で、特に会話をかわすこともなかったのですが、お客様が出ていかれた後に席を見ると、このようなものが置かれていました。

お店のショップカードに絵を描いてくれています。力作です。右上の方に「美味しいコーヒー、美味しいケーキ、毎日食べたい」と書いてあり、嬉しい限りです。シャイな方だったのでしょうか。
ちなみに普段からも、紙ナプキンにお店や友達のスケッチをして置いていくお客様がたくさんいらっしゃいます。美術学校が多い土地柄かもしれません。
もうひとりのお客様は、女性3人でわいわいと楽しんでいらっしゃったのですが、お店を出ていかれた後にひとりで戻ってきて、「これプレゼントです!」と笑顔で渡してくれました。

ポラロイドカメラで撮った当店のケーキの写真ですが、お気持ちはありがたい反面、正直何と反応していいものやら……。シュールです。
ベートルズさんライブを終えて
4月1日(土)、2日(日)に行われたベートルズさん(+ Ba植田良太さん)のライブ、両日とも満員御礼で無事に終了しました!
土曜の「ハル」でのライブは、韓国在住のミュージシャン・佐藤行衛さんに企画進行をお願いしました。私たちはライブの終盤に顔を出したのですが、立ち見の人もいる盛況ぶりで、歓声も拍手も凄いことに。さすが行衛さんのアジトです。ちなみにハルでの打ち上げも、懐かしのロックでお客さんたちが踊りまくる、とんでもなく濃いものでした。
その日の対バンは、行衛さんとベーシストのイ・ドンヒさんによるユニット。ドンヒさんからは両日コントラバスをお借りし、大変お世話になりました。なお彼は、世界を行き来しつつ、コントラバスによる即興演奏を行っています。あなたの街にもふらりと現れたら、ぜひ足を運んでみてください。
日曜の雨乃日珈琲店でのライブは、京都のカフェ・yugue(ゆうげ)さんが、卵と乳製品を使わない様々なクッキーと美味しいベーグルを準備してくれ、お客さんも興味津々でした。
ライブは対バンのキム・モギンさんの演奏からスタート。続くベートルズさんの演奏も、しっとりとした、そして笑顔溢れる温かな雰囲気で、観客もその世界に引き込まれていたようです。個人的には、彼女が韓国語の歌を完璧に歌っていたことに驚きました。
観客はキム・モギンさんのファンも多かったですが、ライブ後にベートルズのCDを買ってくれた人も多く、いつも以上に反応が良かったように感じます。いくつか嬉しい感想をいただいたので、翻訳して紹介します。
(略)笑顔が言葉や歌にまでしみ込んでおり、その音楽が空間を埋めるように私にも伝わってくるような感じだった。そして/曲ごとに音域や歌唱法を変えるのだが、それが全てとても自然。身体と声について良く知っており、自らの身体を自在に扱う姿がとても素敵だった……/(略)京都にまた行く予定だが、主な活動基盤が京都だそうで、新しいウィッシュリストがひとつできた。京都でベートルズのライブを観ること!/(略)/お互いを見ながら息を合わせる二人の姿もとても良く、コントラバスはやはりいつもかっこよく、ベースを演奏する良太さんはノリに乗っていた……/(略)韓国語で少し歌った『引っ越し』という曲が特によかった。

きのう雨乃日でベートルズ(W/良太)のライブを観た。歌詞は分からなかったが、曲がとても良く少し悲しい気持ちになった。コントラバスがかっこいい楽器だということも知ったし。ほんの少しだけ「ああ、この外に世界というものがある」ということを忘れることができた。
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