パーティー51関連記事 不動産のおはなし

    明日から10月前半まで、映画『パーティー51』が日本各地で上映されますね。今の日本とリンクするところもある大変おもしろい映画ですので、音楽に詳しくないという人もぜひご覧ください! ちなみに私も10月5日(月)の東京上映のトークショーで通訳をさせていただくことになりました(なお、お店は営業しています)。上映詳細は下リンクを。

    映画『パーティー51』上映&ライブツアー

    映画の参考になるのではと思い、今回は韓国の不動産制度について紹介します。以下、10W=1円で計算ください。
    韓国では住宅を借りる時、敷金・礼金といったシステムはないのですが、その代わり「保証金」という、まとまったお金を大家に渡す必要があります。このお金は、出る時にそのまま戻ってきます。
    例えばワンルームが「保証金2000万W、ウォルセ(=月に払う家賃)50万W」と出ていた場合、入居する人は入居日に少なくとも2000万W、そして不動産仲介料を用意する必要があります(ネットなどで直接大家を探し交渉すれば、仲介料はかからない)。あとは家賃と、大家が求める場合はちょっとした管理費を毎月払えば、その物件に住めるというわけです。
    おもしろいことに、保証金をもっと渡せば、月の家賃を減らすこともできます。先の例で言えば、保証金を3000万W用意すれば、月の家賃は40万Wになるという形です。この理論で行くと、保証金を7000万W渡せば家賃はゼロということになり、実際このようにして住むことも可能(このシステムをチョンセと呼びます)。大家はその保証金を元手に、株や金利や新たな不動産売買で稼ぐそうですが、最近は保証金アップに応じない大家も多く、チョンセ物件は激レアです。

    全額戻る保証金システムはお得なように思えますが、めんどうなのが、契約期間(だいたい2年単位)内には退出できないということ。契約期間が終わるか、次に契約する人が現れるまで、家賃を払い続けなければなりません。
    引っ越しも面倒です。退出する日に保証金を取り戻すことができるため、その保証金を次の物件の保証金に回す場合、退出日と次の物件の入居日を同じとする必要があります。つまり、その1日で全ての荷物を次の物件に移動させなければならないわけです。これはなかなかハードです。私などは、かつて自宅の引っ越しを決めた時、次の人のために部屋の改修をする必要があるからと、こちらがまだ住んでいるのに大工がずかずか入ってきて、私が寝ている横でペンキを塗り出したことがあります……。いいネタちょうだいしました。

    ちなみに、日本の不動産制度より明らかにいいのは、保証人が必要ないこと。外国人も現金さえあれば、パスポートぐらいの身分証明で入居可能です。

    次は、お店の場合です。お店を借りる際は、保証金、月の家賃の他に、「権利金」なるものを要求されることがあります。1000万Wから数億Wとまちまちです。これは大家ではなく、その物件で以前お店をやっていた人に対し払うお金なのですが、お店を売るとイメージすれば分かりやすいと思います。払った権利金は戻って来ませんが、その代わり、次の人にお店を売ることができれば、同額かそれ以上の権利金を得ることができるというわけです。
    なお、お店のあるエリアが発展すれば、権利金をより高く設定することができます。ちなみに、ホンデなどの繁華街で、もうかりそうもない小さな服屋やアクセサリー店が生まれ、1年以内に消えていくことが多々あります。これは何かというと、次の人により高い権利金で店を売ることを目的として出店しているわけです。これを「権利金ビジネス」と揶揄するのですが、このような店が増えると街が面白くなくなるのは自明でしょう。

    契約期間が切れるまでに次にお店をしたい人が現れなかった場合、権利金を取り戻すことは不可能です。この場合、お店を買ってくれる人が現れるまで再契約し、家賃を払い続けるパターンが一般的です。しかし再契約の際、大家が大幅に家賃を値上げしてくる場合も少なくありません。ひどい時は10倍以上の家賃を要求する例もあります(そして店子が出て行った空間で、大家の息子が店を始めるというパターンの多いこと。街はずれに移転したあの店もあの店もそうです)。
    こうした状況が良くならないのは、現在の政権が、お金持ちをもっとお金持ちにする政治であるからに他なりません。お金のない若者たちは、5年おきにくる大統領選を心待ちにしています。

    映画に登場するうどん屋「トゥリバン」の問題のひとつは、この権利金にありました。トゥリバンは2005年に1億300万Wの権利金を払い店を構えたのですが、2009年に開発を理由に撤去を命じられます。この場合、次にお店をする人がいないわけですから、権利金を取り戻すことができません。ゼネコンから引っ越し費用300万Wだけもらえるという話でしたが、お店を始める際の工事費まで含めたら大損害です。トゥリバン主人が立てこもりを始めた理由のひとつが、ここにあります。

    ミュージシャンたちの協力もあり、幸いなことにトゥリバンは十分な補償金を得ることができ、現在もホンデの新しい店舗で営業中です。うどんはもちろん、ポッサム、マッコリなど非常においしくて感動します。ホンデはひとりでも食べられるおいしい家庭料理の店があまりなく、そういった意味でも素晴らしいスポットです。韓国に来たときはぜひお立ち寄りを!

    トゥリバン MAPおよび住所・電話番号
    マリーゴールドホテル(日本語地図)のすぐ裏です。

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