ご来店

    基本的にお客様の個人名を書くのは控えているつもりですが、今回は都市伝説レベルの話だと思って許してください。

    ある日ツイッターでエゴサしていたら、ある男性のツイートが目を引きました。

    「やべえ 雨乃日に俳優のキム・ヘスクさんがいらっしゃる」

    誰だっけと思って検索したら、この画像が出てきて、マジかと度胆を抜かれました! そうです、韓国ドラマを2~3本だけでも観たことある人なら、必ず目撃しているに違いない名脇役、キム・ヘスク先生です!! 出演ドラマ数82本、そしてそのほとんどがオモニ(お母さん)役!!! 正直、名前を聞いただけでは誰だかわかりませんが、顔を見たら秒速で「ああいつものオモニね」と思わざるを得ないキム・ヘスク先生、町ですれ違っても絶対に判別できると思っていたのですが、まさか当店に来ていたとは!!!! しかし何の記憶も残っていません!!!!! あまりに想定外だったとはいえ、どれだけ典型的なオモニぽかったんでしょうか?

    男性のツイートは、さらに次のように続きます。

    「いや、やばいなんてもんじゃない キム・ヘスクさんの横にいらっしゃったのはパク・チャヌク監督じゃん!!!!!!!」

    ちょっと! パク・チャヌク監督と言えば『お嬢さん』『親切なクムジャさん』『オールドボーイ』『復習者に憐れみを』と大活動中の巨匠ではないですか!! 怪作『サイボーグだけど大丈夫』含めて全部観てるっつーの!!! 我ながら本人がいらっしゃったら絶対気づくと思うのですが、何で気が付かなかったのでしょうか? 同様に、何の記憶も残っていません!!!!

    この男性はキム・ヘスク先生にはサインをもらったと書いていらっしゃるので、たぶん間違いではないと思うのですが、自分にとってはにわかに信じがたいような、でもちょっと自慢したいような話でした。こんどキム・ヘスク先生が来られたら、Tシャツにサインしてもらおう。

    映画『バムソム海賊団 ソウル火の海』


    韓国国民の目の前に「金正日マンセー」が大写しに(※あの方とは同姓同名の別人のことを歌った曲だそうです)

    先週開催された全州国際映画祭にて、韓国インディー音楽ファンも北朝鮮マニアも起立拍手間違いない最高な映画『バムソム海賊団 ソウル火の海(Bamseom Pirates Seoul Inferno)』を観てきましたので、早速ご紹介したいと思います。

    ドラムのクォン・ヨンマンとベースのチャン・ソンゴンによる2人組バンド「バムソム海賊団」の活動を、2011年(映画『パーティー51』におけるトゥリバン闘争以降)から撮影したドキュメンタリー。大韓民国から北朝鮮、金持ちから貧乏人、社会問題から自分自身まで、あらゆるものをおちょくる天才的な歌詞と、突き抜けるほどパンクかつ時々へなちょこなライブパフォーマンス(民営化と称して観客に演奏させ、本人は見てるだけというシーンも……)が素晴らしい、彼らの魅力を前面に押し出した作品です。既にバンドはあっさり解散しているため、バムソム海賊団を体験できる貴重な資料ともなっています。

    監督は、韓国を揺るがした猟奇事件・至尊派事件(1993年)を中心に、聖水大橋や三豊百貨店の崩壊事故などの映像をコラージュし、90年代とそれに続く現代の韓国を浮き彫りにした映画『ノンフィクションダイアリー』で評価されるチョン・ユンソク。今回の作品でも、彼らがネタにする歴史的映像をふんだんにコラージュしたり、歌詞のテロップを(しかもしょぼいフォントで)挿入したりと、爆音のライブだけでは分かりにくいバムソム海賊団の世界を、監督ならではのアプローチで翻訳しようと試みます。強制撤去が迫る明洞のビルや立て籠もり中の大学構内など、デモの現場で演奏することの多かった彼らですが、この映画では運動家的な側面よりアーティストとしての存在感が際立っています。

    MCだけで実際のライブ映像をあえて使用しない展開も多く、そこはライブ観たいところなのに……とやきもきもするのですが、ライブ体験だけで彼らを理解したような気持ちになるのはまだ早いという、監督のメッセージがその表現にあるように思います。

    物語が進むにつれて、世間はバムソム海賊団をカテゴライズしようとします。左派なのか右派なのか? 音楽なのかパフォーマンスなのか? それは説明できない異物を排除しようとする韓国社会の姿とも言えます。一方、歌詞を担当するヨンマンは、カテゴライズされることをのらりくらりと拒否します。彼の機転の利いた発言の数々は、観ていて爽快なほどです。

    やがて物語は、彼らのレーベルオーナーである写真家パク・チョングンが、北朝鮮オフィシャルツイッターをネタでRTしまくったところ、国家保安法違反で拘束されてしまう事件(2012年)で急展開を迎えます。参考人としてヨンマンも出廷することになり、「北朝鮮を崇拝しているのか」「キムジョンイル万歳という歌は何なのか」と説明(カテゴライズ)を求められます。それらのやりとりがバカらしくもあり、いちいち最高です。

    バムソム海賊団という「面白い」の一言では語りつくせない男たちのパンク道中を、純粋に面白がりながら、表現することについて考えさせてくれる作品。これはぜひ日本でも(できれば爆音で)上映してほしい! 関係者の皆様よろしくお願いします。

    ※作品理解に監督へのインタビュー記事がだいぶ参考になりました。

    応援メッセージ

    ここ最近、週に一度は、訪れたお客様が当店へのメモをしれっと置いていかれます。内容は「おいしかった」など私たちを応援してくれる嬉しいものばかりですが、なかでも先日頂いたメモはとてつもなくインパクトがありました。

    見知らぬ女性のお客様が、ちらちらこちらを見ていらっしゃるなと思ったら、去った後のテーブルには案の定B5サイズの紙が。開いてみると、「ごちそうさまでした」というメッセージとともに、驚異的なほど精密に描かれた私の似顔絵がありました。似ていることはもちろん、私のつむじから新しく生えてきた数本の髪の毛まで描写されています。いや、そこまで観察していただかなくても……。

    そして何よりぎょっとするのが、なぜか般若のようなしかめっ面をしているということです。いや確かに見知らぬ方には愛想悪いかもしれませんが……これはがくーんときます。一緒に描かれた妻の絵はアニメのヒロインのようでした。

    日本語同人誌『中くらいの友だち』が当店でも購入できます

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    ジャーナリストの伊東順子さんを中心に、韓国と関わりつづける個性的な執筆陣がつづった同人雑誌『中くらいの友だち』。韓国では雨乃日珈琲店でも購入できるようになりました。

    在韓ミュージシャン・佐藤行衛さんの大韓ロック話を始め、ツイッターでも人気のゆうき先生による韓国体験談、料理研究家きむ・すひゃんさんによるディープな韓国食、パク・ミンギュ『カステラ』で日本翻訳大賞を獲得した斎藤真理子さんによる韓国文学翻訳作とエッセイ、他サムルノリや水色洞散策、謎すぎるテコンドー師範の一代記(!)まで、メディアにはもちろんネットでも読めなかった興味深い話題が満載です。ちなみに私は韓国タワー話で、妻は扉題字で参加しています。

    中くらいの友だち―韓くに手帖 https://www.facebook.com/chukurai/

    なお日本では、東京なら西荻窪「旅の本屋のまど」、池袋「ポポタム」、神保町「チェッコリ」、荻窪「タイトル」ほか、名古屋なら「ちくさ正文館」、京都なら「誠光社」、福岡なら「リードカフェ」などでも取り扱うほか、お近くの書店でお取り寄せいただくことも可能です。追加情報は上記フェイスブックをご覧ください。

    韓国旅行の復習に、ぜひ読んでほしい一冊です。仁川空港へ向かう前に、弘大6番出口近くの当店に立ち寄り、しゅっとご購入されるのがお勧めです。

    当店から新しいユアマインドまでのアクセス

    2017年4月21日、近所にあった人気の書店ユアマインドが、延喜洞(ヨニドン)に移転オープンしました。当店から徒歩20~30分といえば、私の基準ではかろうじて近所。というわけで道順を紹介します。

    로드뷰길찾기

    まず当店の前の道(家具屋通り)を右に100Mほど進むと、目の前に教会がある大きなT字路にぶつかるので左折。ここからの通りには中国人向けのお土産屋がいくつかあり、最盛期には観光バスが列をなしていたものですが、今や閑古鳥が鳴いています。この諸行無常通りを500Mほど進むと大きな3差路が。ここが交通の要「東橋洞(トンギョドン)サムゴリ」です。

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    3差路の右手にある巨大なビルは「リンナイビルディング」と呼ばれていましたが、今やリンナイは撤退し廃ビルとなっています。この諸行無常ビルを右手に見つつ、横断歩道を渡りY字路を右方向に進んでいきます。この通りにはなぜかマダム向けの衣料品店が多いので「マダムストリート」と勝手に呼びます。

    そのまま300Mほど直進すると、左手に人波が押し寄せる賑やかな通りが現れます。ここ数年で一気に火が付いた人気のエリア、延南洞(ヨンナムドン)ですが、人込みに流されて左折することなく、さらに200Mほど直進します。

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    陸橋をふたつくぐると、そこは延喜洞。延南洞とはうってかわり、住民の生活が感じられる穏かな時間が流れています。

    陸橋からさらに200M直進し、スターバックスを過ぎた次の角を左折。50M先にある次の十字路に、延喜洞の中心地ともいうべき「サロガマート」が現れます。

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    ここで左折すればちょっとした中国人街となっていますが、我々はそのまま直進、サロガマートの右手の道をまっすぐ進みます。こんな細い道にも、ところどころにオシャレな店が隠れており、ちょっとした行列もできています。

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    50M進むと現れる最初の十字路を右折します。周囲は豪邸が並ぶ住宅街。人通りは決して少なくないものの、弘大に比べ年齢層も高く落ち着いた雰囲気です。ちなみに延喜洞は、元大統領である全斗煥や盧泰愚の自宅があることで有名です。

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    そこから50M(ワンブロック)進むと右手に現れる、塀と木々に囲まれた白い建物が、ユアマインドが入店する一軒家「ウンヌン(은는)」です! 

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    ところでウンヌンの右の細道を見ると、奥に味のありすぎる寿司屋の看板が。そのインパクトに思わずウンヌンを見逃し、通り過ぎてしまいました(左手に公園が見えたら行き過ぎです)。

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    気を取り直してウンヌンへ。もともと写真スタジオが使っていた一軒家に、ユアマインドや他のショップが同時に入店したということ。ユアマインドの他にも、2001年にオープンし弘大カフェのさきがけとなった老舗店「B-hind」の支店や、お茶屋さんなどが入っており、これからぐいぐい盛り上がりそうです。

    もちろん新しいユアマインドも、森の中にいるような、雰囲気たっぷりの素敵な空間。独立出版物だけではなく、代表イロさんの奥さんであるモモミさんが運営する、エコバッグとセレクト雑貨の店「ワンモアバッグ」も展開しています。

    雨乃日から歩くとやっぱりというか非常に遠いですが、当店のお客様にはぜひとも訪れてほしい最高の空間です。なお、東橋洞サムゴリのバス停(リンナイビル右横スタバ前)から110Aのバスに乗り、3つめの停留場で降りると非常に近いです。無理して歩かなくても大丈夫です。

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    雨乃日珈琲店/아메노히커피점

    ソウル市麻浦区東橋洞184-12 101号
    서울시 마포구 동교동 184-12 101
    tel.070-4202-5347
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    2010年11月12日にオープンした、日本人が運営する弘大の喫茶店です。このブログでは、日本の皆様にソウルの状況をお伝えします。最新情報や臨時休業日は、韓国語サイトツイッターをご確認くださいませ。

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