「雨乃日珈琲店だより」アーカイブ
忠武路acs

香港のパンクバンド「南洋派對 N.Y.P.D.」のライブを観に、前から聞いていた空間「acs」にようやく足を運んだのだが、ここがとても良かった。
まず爆音が半端ない。賑やかな古い飲み屋街にあり、ワンブロック先でも音が漏れ聞こえてくる。建物の入り口は工事現場のよう。会場は半地下どころか見事な地下室で、DIY感あふれる内装にぐっとくる。ライブはモッシュが起きるほど盛り上がっていたが、バンドの実力はもちろん、会場の魅力も大きいように思えた。その後に続く激しいDJタイムも変な音楽ばかりで爽快だ。
acsの歴史についてはこちら
vislaのインタビュー記事が詳しい。アンチョルスンことacsが誕生したのはコロナ直前の2019年。乙支路で「感覚の帝国」という音楽バーを経営していたDJユニットのふたりが始めた。その地下室は以前、おばあさんひとりが切り盛りしていたタバン(韓国式の喫茶店)だったそうだが、どれだけ薄暗い店だったのかと思うとこちらも気になるところだ。
acsはやはり独自のビザールなセンスが素晴らしく、ポンチャックのベテラン歌手イ・パクサやニュージーンズの曲も手掛ける250(イオゴン)を招請したポンチャックイベントなども行っている。
会場を後にしながら、自分がアジアのどこかの街を旅していてこんな箱に出くわしたら、漏れてくるカッコいい音楽に惹かれて絶対に入ってしまうだろうと思った。そして旅行中は毎晩通うことになるのだろう。かつて自分が初めて弘大を歩いた時のワクワクする気持ちを思い出した。


www.instagram.com/acs.kr
CURRY DAY AND NIGHT

2023年8月23日はお店を早く閉めて、延南洞チャンネル1969で行われたイベント「CURRY DAY AND NIGHT」に行ってきました。金沢の老舗カレー屋JO-HOUSEがカレーを振る舞い、店主のモカさんがDJするというイベントです。企画は自身もカレーをつくるパク・ダハム君。
私たちは不参加でしたが、昼の部はカレーがメイン。予約制であっという間になくなってしまったよう。金沢のコバヤンさんがレコードでBGMを担当。
夜の部は、タトゥーアーティストのキム・ミキさんがカレーを販売し、おいしい香りが漂う中、モカさん、長谷川陽平さん、ダハム君(DJ YESYES)という3人が、かわるがわるDJを披露しました。この時間がしみじみと良かった! 韓国に住む日本人の長谷川さんは、『世界中の誰よりきっと』の韓国語カバーをかけ(なぜそんなレコードが?)、韓国人のダハム君は、韓国人歌手が日本語で歌う変な歌謡曲をかけ、日本人のモカさんがK-POPをかければ、訪れていた韓国人の親子が輪になって踊ります。
日本と韓国の人と文化が溶け合う、温かい夜でした。ソウルや金沢で、またの開催を期待します!

ザ・ナッツ『愛のバカ』。歌詞は全然違うんですねー
山根綾香さん写真展に行ってきました

当店近所の
ギャラリーカフェHushedにて開催された、山根綾香さんの写真展「piece of journey」に行ってきました。小さいながらも心に残る素敵な展示だったのでご紹介したいと思います。
世界のあちこちを一人で旅し、数多くの写真を残していた綾香さん。惜しくも20代の若さで亡くなってしまいますが、彼女の思いを引き継いだお母さんの奈穂子さんが、病床の綾香さんとともに写真集を出版し、その後は日本各地で写真展を開催しています。7年目の命日に合わせ、今年の展示は綾香さんが行きたがっていたという韓国で開催されました。
この展示のことを教えてくれたのは、福岡で活動する画家のTOYAMEGさん。綾香さんとは地元の友達だという彼女は、福岡の私の知人を通じて当店のことを知り、フライヤーを置かせてほしいと連絡してくださいました。そしてフライヤーを持ってきたのは、ソウルで出版社「NIRAIKANAI」を営むハンさんです。彼女は沖縄に住んでいた時に、綾香さんと出会い友達に。奈穂子さんとともに今回の展示を企画しました。
展示に合わせて来韓していた奈穂子さんやTOYAMEGさん、ハンさんを始めお友達たちにもお会いし、いろいろな話を聞かせてもらいました。綾香さんと私たちの間に共通の知人が多いことも分かり、不思議な縁を感じました。
綾香さんの周りでは、いつまでも多くの友達や家族が笑いあっていて、それぞれが充実した活動を行っている、そんな印象を強く受けました。その中心にいる綾香さんの、輝くような存在感。彼女が撮った旅の写真は、高画質ではなくとも、瑞々しい生命力に満ち溢れていました。
綾香さんと奈穂子さんは、次はどこを旅するのでしょう。展示があなたの街の近くにやって来た時は、ぜひ足を運んでみてください。
奈穂子さんインスタグラム
https://www.instagram.com/amenuiaya
「自分の人生は発見の連続だ。発見して見失って、再発見する。それのくり返し」
植野隆司サックスソロライブを終えて

2023年6月12日、テニスコーツの植野隆司さんによるサックスソロライブが当店で開催されました。企画はパク・ダハム君で、前日二日間行われたテニスコーツの来韓ライブ(於:新都市、チャンネル1969)のアフターパーティー的に行われました。
「サックス」というカバーアルバムシリーズ(カセット)を発表している植野さんですが、なんとライブは初めてだそう。韓国でサックスを借りる予定だったのに、前日まで貸し手が見つからなかったというトラブルはあったものの、当日のライブはつつがなく終了。テニスコーツの知名度からチケットは早期完売しており、満員の観客のなか、魅力的でほんわかとする演奏を聴かせてくれました。アンコールではボーカルのさやさんも登場し生歌を披露、スペシャルな夜となりました。
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